切ないとき
WORDS by 虚無虚無

恋人に抱かれるときは切ない。
恋人の指が私の指に絡み、手のひらを羽のように触れるときは切ない。
その指の腹と私の指の腹が優しく触れ合うのは切ない。
手のひらと手首の境目に往きつもどりつ這う指はせつない。
戸惑うため息は切ない。
恋人の、獣の匂いのする吐息は切ない。
指を愛しく這う唇は切ない。
這い上がる、湿った唇の感触は切ない。
肩から、うなじに這う吐息は切ない。
首筋に這う湿った唇は切ない。
耳朶を吸い転がす唇は切ない。
耳郭を這う舌は切ない。
耳元の獣のうめきは切ない。
首筋から背中と這うざわめきが切ない。
肩に押し当てられた白い歯が切ない。
ああ、、、、、、、、ため息が切ない。 |